い草も稲わらも共に田んぼで作られる植物です。
その呼吸作用で湿気を吸ったり、はいたり、湿度を自動調整します。
また、室内の有害ガスを吸着する性能があり空気を浄化する働きをします。
化学素材の畳とは一線を画す性能です。新しいい草の香りは草本来の香りと、色素を固定する為に行なうい草の泥染時の化学反応で発生する香りが合わされた香りです。気持ちを穏やかにする効果があります。
畳床の性能
畳は中身が大事です。畳の厚さの大部分を占める畳床が畳としての性能を決定づける最大の要素です。
一枚の本畳床に使用される稲わらはおよそ三万五千本。各配層毎に厳しく選別された稲わらを縦・横交互に何層にも手作業で平らに四十センチ程に重ね並べられ、五センチ程に圧縮されながら機械を通して作られます。
稲わらは中空構造で様々な畳としての性能を発揮します。
畳の吸放湿性
稲わらの断面は中空の組織構造です。
天然素材の呼吸作用で水分を吸収したり放湿したりする自動湿度調整機能があります。
六帖一部屋あたり約三リットルの水分を吸収し、乾燥してくると放湿するという自然のエアコン機能を備えています。
弾力性
厚さ四十センチにも重ねた稲わらをわずか五センチに圧縮することで生じる復元力が、やわらか過ぎず固すぎない本畳床独特の弾力と感触を生み出します。
結果
本畳床は軽いものはフワッと受け止め、重いものはガチっと支える作用があることが見られました。
畳にごろんと横になってやすらげるのは稲わら畳ならではの効用です。
遮音性(吸音効果)
一般的に遮音性は重さに比例するといわれています。
本畳床は稲わらがぎっしりと詰まって出来ているので、住宅の二階からの騒音、足音、テレビ、ステレオなどの音を柔らげる遮音効果に優れています。
断熱保温性
空気は熱を通しにくい性質があります。
稲わらのポッカリ空いた中空構造の空気が高い断熱性を生み出します。
また、一度暖かい状態になると熱を逃さない保温の役目をします。
実験
石板の大きさ:210×210×10
密着度を上げるために、鉄鋼性の重り5kgを乗せる。
常温下の畳床(31℃)を190℃の石板に乗せ10℃上昇する時間を測定しました。
結果
本畳床は14分10秒、建材畳床は2分39秒でした。
本畳床は建材畳床と比べて、約5.3倍の断熱性能を持っています。
資料提供:宮城県畳床工業組合
難燃性
単独では燃えやすい稲わらでもギュッと圧縮して加工された稲わら畳床は燃えにくい性質になります。
常温下では焦げた状態で火が消えてしまいます。
しかも、天然素材ですので建材床と異なり火災時の有毒ガスの発生が非常にすくなくなります。
耐久性
40cmに積層された稲わらを8分の1程に圧縮されて作られる為、優れた耐久性を生みます。畳床はそのままに何度でも表替修繕が可能です。
京都の某お寺で40年程前迄使われていた、江戸時代の稲わら畳と思われる畳床です。耐久性は歴史が認めています。
健康
2003年7月に建築物の健康被害防止のために建築基準が改訂され、VOCの使用規制や室内濃度指針値が示され、以前ほどの新築住宅やリフォームした室内のホルムアルデヒドやVOC(揮発性有機化合物)が原因のシックハウス症候群は減少いたしました。
しかしながら、あらゆる所に使用されている化学物質が少なからず健康被害を起こしています。
天然素材の呼吸作業で稲わらもい草も有害なものをほとんど出さず、むしろ吸着する働きで目に見えない室内の空気環境の改善に役立っています。
環境
稲わらは、田んぼで毎年出来る環境負荷のほとんどない再生材料として日本環境協会が認めています。
当店の稲わら本畳床は、人と環境にやさしいエコマーク認定製品です。地球環境温暖化から全世界で実践が求められる、持続可能なSDGsの取り組みに叶う典型的な製品です。