和楽畳®は、稲わら畳床を半分の厚さに製作する事により、軽量化を果たし、移動・収納が出来るフロアに置き敷きで使用する、伝統製法の昔ながらの本物の畳です。
普及が著しい化学素材の置き畳はホッチキス等の金具止めや畳床と畳表を一体的に接着剤で貼り付ける製法な為、傷んだ畳は廃棄処分されるのに対し、糸で縫う製法の稲わら畳は、畳職の技能により畳床はそのままで、傷んだ畳表だけを取り替える表替修繕が出来ます。良い物を永く使う事が出来て結果的に経済的です。材料としての稲わらもい草も、毎年水田から収穫される植物で、地球環境問題に取り組むSDGsの活動に貢献している典型的な製品です。

仕様

「和楽畳®」が出来るまで

和楽畳床が出来る工程

1.稲刈風景

原材料稲わらは宮城県登米市の有機農園ファーミン㈱のJASオーガニック(有機)認証農地で作られる自然乾燥の農薬未使用の稲わら100%で製作します。

2.脱穀作業・自然乾燥

刈り取りした稲を約一か月間自然乾燥して、米と稲わらを分離する脱穀作業を行ないます。

3.わらまるき作業

分離した稲わらをトラックに積み易くするように、24束を一つに稲わらをまとめて結びます。

4.運搬・収納(倉庫)

24束程度に結束した稲わら6~7kg、約200個をトラックに積み込み、田んぼから倉庫に運搬し、収納します。

5.稲わらこも製造

葉かまをとった稲わらの芯だけを一本一本網み込んだ「稲わらこも」を内部に複数入れる事が和楽畳床の特徴です。薄くても平らで耐久性は厚い畳同様です。

6.畳床材料配列工程

和楽畳床は各工程を一つ一つ人の手が関わります。平らに稲わらを並べるむずかしい技術が必要です。

7.畳床完成

約20㎝に稲わら、稲わらこも、補強単板をバランス良く積層した材料を当店独自改良の畳床製造機で2.5㎝に締めながら縫い上げ畳床が完成します。

和楽畳に仕上げる工程

8.畳床切断作業

畳床の長さ方向を所定のサイズに全自動の機械で切断します。

9.かまち縫い作業

畳表を畳床に巻き込み、畳表がしわにならない様に張り、糸で縫い込みます。

10.平刺縫い作業

畳の幅方向を畳床と畳表を所定の寸法に切りながら、畳縁も同時に縫い付けます。

11.畳角作り・返し縫い作業

平刺縫い作業後に手作業で畳縁をきれいに折り、最も重要な角部分を作ります。それを自動返し縫機に入れ畳縁の側面を縫い上げます。

12.工程内検査

工程内でねらいの寸法通りに出来ているか、各材料に傷や変色がないか、工程内検査を行ないます。仕上げ最終段階で畳表に植物由来の食品素材で作った防カビ・抗ウィルスの生活環境保全剤を塗布して拭き上げ仕上げ工程の完了です。

13.最終検査

最後にご依頼の畳を全て枚数分、敷き合わせ、木枠がセットの場合木枠を組み、仕上がった畳を敷き込み出来ばえを最終確認します。

ご依頼のあった製品に傷がつかないよう梱包して出荷します。畳と木枠の間の段差について、木枠の寸法誤差と自然素材を手作業で作る畳床の厚さの誤差が合いまって若干の段差が出る場合があります。許容範囲を2mm以内と定めておりますのでご了承お願いいたします。

特長

優れた断熱性

心地よい感触

歴史が認める耐久性

+

環境への配慮

  1. 通常断熱材として使われる、木質ボードや発泡スチロールと比較して、同じ厚さなら5.3倍の断熱性能があります。

    実験

    石板の大きさ:210×210×10
    密着度を上げるために、鉄鋼性の重り5kgを乗せる。
    常温下の畳床(31℃)を190℃の石板に乗せ10℃上昇する時間を測定しました。

    結果

    本畳床は14分10秒、建材畳床は2分39秒でした。
    本畳床は建材畳床と比べて、約5.3倍の断熱性能を持っています。

    資料提供:宮城県畳床工業組合

  2. やわらか過ぎず、固過ぎない、畳本来の独特の弾力と感触です。
    自然素材の温かみのある敷物です。

  3. 京都の某寺院で1673年の表記がある112畳の稲わら畳が現在迄使われております。耐久性は歴史が認めています。
  4. 当店で独自改良した畳床製造機により、従来の稲わら畳床の半分の厚さ2.5cmに畳床を作ります。稲わら畳としては最軽量の製品です。
  5. 原材料は、水分15%以下に自然乾燥された農薬未使用の稲わら100%で制作しています。
  6. 毎年出来る天然素材が原材料な為、地球環境と人に優しい日本のエコマーク認定商品です。
  7. 畳床はそのままで、傷んだ表面の畳表と畳縁を交換・修繕が出来ます。
    良い物を永く使えて結果的に経済的です。

一般的な置き畳との違い

現在普及が著しい化学素材の薄い置き畳の多くが畳表と畳床を一体的に化学接着剤で圧着させる製法とホッチキス等の金具で止められる製法な為、表面の畳表が汚れたり、傷んだ場合、使い捨てになる商品なのに対し、昔ながらの糸で縫う製法は畳床はそのままで表面の畳表・畳縁を交換する表替え修繕が可能です。永く使えて結果的に経済的です。
薄い化学素材の置き畳の多くは畳床の表面に化学素材のスポンジ状の2mm程度のクッションシートを配しておりますが、その下は非常に固い素材が用いられており、全体がやわらかい稲わらを圧縮して作られる稲わら畳とは異質な感触になります。
和楽畳®は自然素材を基本としておりますので、稲わら畳床と相性の良い熊本県産のい草畳表の組み合わせになります。自然素材の温かみとやわらかみがやすらかな気持ちにさせてくれます。
畳縁に関しては、見本の中からお好きな物をお選びいただけます。
和楽畳®は古い伝統的な製法の、現代では最も新しい畳製品です。

縁無し畳と縁付き畳の違い

畳が生まれた平安時代、置き畳として使われた畳は四方に畳縁が付けられ、貴族や武士の身分の高さで畳縁の紋様が定まっていたとされます。
江戸時代になり、一般庶民にまで畳が普及する様になると、高価な畳縁は大きな商家や武士等身分の高い階級で使われ、一般庶民は縁無の畳が使われる様になりました。
現代では畳縁も安価になり、コンピューター制御の自動化された畳製作機械により、縁付き畳が主流になっています。
縁無し畳は逆に自動化された現在の製作機械だけでは作れず、手作業による工程が少なからず必要になり縁付き畳よりはコスト高になります。最近では平らな建材畳床に直接接着剤で畳表を全面圧着させる機械が現れ、比較的容易に縁無畳が作れるようになり、コストダウンから手軽に求められる価格になっています。

縁付畳
縁無畳 稲わら畳床を使った縁無し畳の製作は畳技能士の
最高の技術が必要です。

防虫対策

天然素材ですので、害虫が潜んでいる可能性があります。
当店では畳床の熱風加熱乾燥と畳床下部と表面にほう酸塩を主成分とした安全な防虫紙を取り付ける二重の防虫対策を施しております。

施工例

令和5年9月 当店で和楽畳床を製作、加藤畳店様が畳に仕上げて施工
〇東京都練馬区 加藤畳店様 事務所兼自宅(施工:加藤畳店)
和楽畳:縁付(一畳)8枚、縁無(半畳)12枚

© 高橋昌巳/シティ環境建築設計

〇長野県軽井沢町 寺岡様自宅
屋号:内観草庵(naikan soan)
時期:2022年築
用途1:住宅
用途2:内観講座(一室)
この部屋は、一日内観に使っています。( 内観: 座禅の様な、内省の講座です。)
それが理由で、装飾はありません。
この部屋で内観をするととても深まるという感想を持つ方がおられます。

〇お客様からの声
素晴らしい畳、ありがとうございます。
おかげさまで、気持ちの良い時間を過ごしています。
素材、思い、忍耐、伝統、技、全てが凝縮された品。
良質な品は、人の心の深い所に響きますね。
日常生活で、(和楽の)畳が目に入る度、足の裏に感じる度、豊かな気持ちになります。
安心感がある。
横たわると、安堵感を、感じる。
和楽の畳は、地球を生きる仲間の様な気がする。
命を持つ”イキモノ”を、感じています。
無味乾燥な部屋の写真です。
洋間に置き畳。ただそれだけ。

和楽畳敷き込み取り扱い説明

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